緑に囲まれた丹塗りの熊野速玉大社の社殿
熊野三山・新宮

熊野速玉大社 ― 新宮に鎮まる古社

熊野速玉大社は、熊野川河口に近い右岸の川原に沿い、千穂ヶ峰の北東麓に鎮座します。本宮大社と同じく延喜式内社で、正式な社名は熊野速玉大社ですが、地元の人々からは親しみを込めて「速玉さん」「権現山」とも呼ばれてきました。熊野三山の一角をなす古社です。

「新宮」の由来

祭神の熊野速玉大神など十二柱は、もともと神倉山(かみくらやま)に祀られていましたが、のちに現在の場所へ移されました。そのため神倉山を「元宮」、現在の速玉大社を「新宮」と呼ぶようになり、それがそのまま新宮市という地名の由来ともなりました。創建の年は明らかではありませんが、「歴代編年集成」には第十二代・景行天皇の御代に始まるとの記述が見えます。

丹塗りの社殿と古神宝

緑に包まれて立ち並ぶ丹塗りの社殿は昭和の造営によるものです。境内の神宝館には、国宝・重要文化財を含む計千二百点もの古神宝類が所蔵されています。蒔絵の箱や金銀装の太刀など、優れた工芸品の数々は、熊野信仰が集めた篤い崇敬の厚みを今に伝えています。

主祭神

第一本社(結宮・ゆいのみや)に熊野夫須美大神、第二本社に熊野速玉大神を祀り、以下、家津美御子大神、天照大神をはじめとする神々が順に鎮まります。

あわせて訪ねたい

速玉大社と切り離せないのが、背後にそびえる神倉山とそのゴトビキ岩です。急峻な石段の上に鎮まる神倉神社は、熊野の自然信仰の原点を今に伝えます。毎年二月に行われる勇壮な火祭りについては、地域の催しもののページでご紹介しています。徐福ゆかりの地としての新宮は、徐福伝説のページもあわせてどうぞ。